Ни пуха, ни пера!

「Little Busters!(リトルバスターズ!)」、「クドわふたー」の元ネタ探し・用語まとめ、および考察

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じゃあ語ろうか。


参考文献は

「フェルマーの最終定理」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』, 2010/02/12 06:55 UTC, http://ja.wikipedia.org

である。

フランスの弁護士にして数学者のピエール・ド・フェルマーは、古代ギリシア・アレクサンドリアの数学者ディオファントスによる「算術」中に記された問い:

平方数を2つの平方数の和に表せ

の余白に、後年様々な状況で、冗談交じりで引用されることになる極めて有名な書き込みを残した。すなわち:

3以上の自然数nについて、n乗数を2つのn乗数の和として表すことはできない。この定理に関して、私は真に驚くべき証明を見つけたが、この余白はそれを書くには狭すぎる

である。

彼自身が正しい証明を見付けていたか否かは今となっては不明であり不定だ。
だがそれはそれとして、これが360年に渡る数学者たちの挑戦の幕開けであった。


詳細な歴史については先ほど掲げたWikipediaの該当部分や適当な参考文献を参照していただきたい。
ここではウォーミング・アップとして、元の問題、つまりn=2の場合を考えよう。

ピタゴラスの定理により、これは

直角三角形は何種類(相似形を除く)あるか?

と関係していることがわかる。要は「直角三角形の斜辺となり得る自然数は?」ということだ。

最もなじみ深い直角三角形は三辺が3,4,5のものだろう。
これは古代エジプトにおいて直角を実現するために使われたとも言われている。
多少マニアックなものは5,12,13だ。
なかなか鋭角だね、と褒めてみよう。

挙げていくと限りがないが、これでは本当に無限にあるのか、あるいは10の10乗よりちょっと少ない程度なのかはわからない。
少し考えて、第一象限における単位円周上の有理点の個数と対応付けられることを示せばOKだろう。


さて、本題。
近代以前の歴史を見ると、実に錚々たるメンバーの名が連なっている。
特に、クンマーの業績「理想数」には現在欠かすことのできない概念「イデアル」の萌芽を見ることができる。

近代以降、谷山豊(とよ)、志村五郎による谷山・志村予想(楕円曲線と保型形式という二つの異なる世界が深くつながっている)や岩澤健吉による岩澤理論(一種の表現論。ある意味クンマーの極限)が本質的な貢献をし、1994年10月、アンドリュー・ワイルズの天才は谷山・志村予想を解決し、その系としてフェルマーの最終定理を解決するに至った。

振り返ってみると、この道程は数学者たちの敗北の歴史である。そして同時に勝利の歴史である。
そういうことがあり得るのだ。

名を残した数学者も、残さなかった数学者も、彼らはきっと自分たちが解決に至るとは考えてはいなかったはずだ。
その意味では惨めな敗北の歴史だ。
だが、彼らは歩みを止めなかった。
後続の数学者は、先達が肉を切り骨を削って描いた血の道を歩み、新たな地平に辿りついた。
彼らの業績は無とはならなかったのだ。
その意味では輝かしい勝利の歴史だ。

数学に王道はないのかもしれないが、少なくとも数学自身は王道なのであろうと思う。


さて「フェルマーの最終定理」は、その主張の簡明さから多くの数学者(プロ・アマ問わず)を虜にしてきた。
これに釣られて数学を志した人も多いと聞く。
こういった数学少年や元数学少年にとって「フェルマーの最終定理解決!」の一報はどのような影響をもたらしただろうか?

ある人は喜んだだろう。
また、ある人は悔しがっただろう。
そして、私が思うに、多くの人は何とも言えない感情を抱いたことだろう。

この感情は今も私の中に凍結されて残っている。
最終定理は、解決されるのにあまりに長い時間がかかったため、ある種の永続性を私に抱かせていた。
一言で言うと夢のようなものだった。
覚めないものと思っていたのだけれど。

そういう訳で、数学少年には夢の終わりを告げ、元数学少年には心の中に淡く残っていた少年時代の終わりを告げるものだったのではないかと思う。

しかし何といっても、最もショックを受けたのはワイルズ自身だったのではないだろうか?

想像する。
生活のすべてをたった一つの数式に捧げる日々を。
想像する。
解決したときの超越感を、そしてその後の虚無感を。

今ならわかることが一つ。
それは、この虚無感が非常に大切なものだということだ。
我々が見るのは峨々たる山脈でもなければ底なしの深淵でもない。
無限に広がる平地だ。
そこではあらゆる行為が許される。
気に入らなければ世界の理を自分で作っても良い。
そんな際限無き自由の中で、支えになってくれるものが最初に抱いた虚無感である。

ポール・エルデシュは言った。
「数学者はコーヒーを定理に変換する機械だ」と。
これに対し、「数学者は虚無を定理に変換する機械だ」と言って本稿を終わる。

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  1. 2010/04/06(火) 01:13:49|
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